局所的感染症情報(2013年1月上旬版) [仕事のこと]
こんにちは。
六号通り診療所の石原です。
今日は水曜日なので、
診療は午前中で終わり、
午後は産業医の面談に都内を廻り、
夜は糖尿病の勉強会です。
それでは今日の話題です。
今日は診療所の周辺の感染症情報です。
インフルエンザの流行が、
年明けから本格的になっています。
先週1週間で20名以上の患者さんがお見えになり、
迅速診断の結果では、
A香港型が3分の2くらいで、
残りの3分の1は2009年の所謂新型インフルエンザです。
ただ、
これは勿論Aソ連型の「新型」以外の流行はない、
という前提に立った場合の話です。
これだけの人数ですから、
明確な傾向は見えて来ないのですが、
ある日寒気を伴って高熱が出る、
という症状経過に関しては、
A香港型と「新型」で、
特に違いはないという印象です。
咳症状が先行し、
それから少しして高熱が出て、
それに伴い咳自体も悪化する、
という経緯もしばしば認められ、
当初はどちらかのタイプの特徴ではないか、
と思ったのですが、
これもどうもそうではなく、
両者に認められる傾向のようです。
具合が悪いためにもどしたり、
下痢をしたりすることはありますが、
嘔吐が先行したり、
酷い下痢を伴ったりすることはなく、
ノロウイルス腸炎の経過とは間違いなく違います。
高熱は概ね1~3日で治まり、
全体の経過も1週間以内には終息しますが、
咳症状は肺炎でなくても、
しばらくはすっきりしないことがあります。
つまり、
症状からはどのタイプかの見分けは付かない、
ということでもありますし、
「新型」も完全に季節性インフルエンザの1つになった、
という言い方も出来るように思います。
現状ワクチン未接種者での感染が圧倒的で、
今シーズンからA香港型の流行株に対応したワクチンに、
変更になったのですが、
その判断は正しく、
今シーズンのワクチンの有効性は、
高いという印象があります。
今後の動静にも注視しつつ診療に当たりたいと思います。
今日は診療所の周辺の感染症情報でした。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
六号通り診療所の石原です。
今日は水曜日なので、
診療は午前中で終わり、
午後は産業医の面談に都内を廻り、
夜は糖尿病の勉強会です。
それでは今日の話題です。
今日は診療所の周辺の感染症情報です。
インフルエンザの流行が、
年明けから本格的になっています。
先週1週間で20名以上の患者さんがお見えになり、
迅速診断の結果では、
A香港型が3分の2くらいで、
残りの3分の1は2009年の所謂新型インフルエンザです。
ただ、
これは勿論Aソ連型の「新型」以外の流行はない、
という前提に立った場合の話です。
これだけの人数ですから、
明確な傾向は見えて来ないのですが、
ある日寒気を伴って高熱が出る、
という症状経過に関しては、
A香港型と「新型」で、
特に違いはないという印象です。
咳症状が先行し、
それから少しして高熱が出て、
それに伴い咳自体も悪化する、
という経緯もしばしば認められ、
当初はどちらかのタイプの特徴ではないか、
と思ったのですが、
これもどうもそうではなく、
両者に認められる傾向のようです。
具合が悪いためにもどしたり、
下痢をしたりすることはありますが、
嘔吐が先行したり、
酷い下痢を伴ったりすることはなく、
ノロウイルス腸炎の経過とは間違いなく違います。
高熱は概ね1~3日で治まり、
全体の経過も1週間以内には終息しますが、
咳症状は肺炎でなくても、
しばらくはすっきりしないことがあります。
つまり、
症状からはどのタイプかの見分けは付かない、
ということでもありますし、
「新型」も完全に季節性インフルエンザの1つになった、
という言い方も出来るように思います。
現状ワクチン未接種者での感染が圧倒的で、
今シーズンからA香港型の流行株に対応したワクチンに、
変更になったのですが、
その判断は正しく、
今シーズンのワクチンの有効性は、
高いという印象があります。
今後の動静にも注視しつつ診療に当たりたいと思います。
今日は診療所の周辺の感染症情報でした。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
2013-01-16 08:13
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いつも興味深く拝見させていただいております。
はじめて質問させていただきます。
5年生と3年生の男の子の母です。
昨年秋にある医院のブログを見たところ、昨シーズンのインフルエンザワクチンのチメロサール(水銀の一種)無添加のワクチンの副作用が多くあったため、今年はチメロサール入りのワクチンが使われているとありました。
うちの子はあまりインフルエンザにはかかったことがなかった事や、昨年ワクチンを打たずにかかってもとても軽くてイナビルですぐ治った事もあり、接種はやめようかと考え打っておりませんでした。
今日の先生の記事を拝見したところ、今年のワクチンは有効性が高いとあり、今からでも接種するべきか迷っています。
近くの小児科では頼めばチメロサールなしのワクチンもあるそうなのですが、昨年副作用が多かったというのが気になり、また迷います。
先生は昨年のサメルメロチール無添加ワクチンの副作用についてご存知ですか?
今からだと2回目を接種する頃には流行してしまいそうです。
1回だけの接種というのはどう思われますか?
このまま接種せずかかったら薬で治療するとなると、年齢からするとタミフルは少し心配ですが、イナビルは今までに特に心配な副作用などの報告はありませんでしたでしょうか?
長々とすみません。
お手すきの時にご返答いただけたら嬉しいです。
by ttママ (2013-01-16 20:35)
ttママさんへ
化血研のワクチンに関しては、
昨年の6月18日に記事にしていますので、
そちらをご覧頂ければ幸いです。
http://blog.so-net.ne.jp/rokushin/2012-06-18
その件については、
上記の記事で一応のご回答になっているかと思います。
流行が拡大するようでしたら、
小学校以降の年齢層であれば、
1回のみの接種でも、
一定の効果は期待出来ると思います。
イナビルに特異的な有害事象の報告は、
現時点ではあまりないように思います。
ただ、データの蓄積という点から言えば、
タミフル、リレンザの方が、
圧倒的に多く、
イナビル、ラピアクタの評価は、
まだ確定したものではないと思います。
by fujiki (2013-01-16 21:01)
早速お返事頂きましてありがとうございます。
昨年、こんなに詳しく記事にされていたんですね。
参考になりました。
仕方ないことなんでしょうが、毎年少しずつワクチンの内容が変わるためいつも悩んでしまいます。
ご返答いただきまして、今はチメロサール入りのものを1回接種しようかな・・・と思っています。
お忙しい中、毎日のブログの更新本当にすごいことだなと感心させられます。陰ながら応援しております。
本当にありがとうございました!
by ttママ (2013-01-16 22:20)
いつもありがとうございます。ここ数年、先生の副反応レポを見て接種を決めてました。去年もそのおかげで化血を避けられました。今年のワクチンの副反応はどんな感じですか?検索するも見付けられず…お時間ございましたらお願いします。厚かましくごめんなさい。
by 母 (2013-01-20 08:58)