カンジダ食道炎事例集 [医療のトピック]
こんにちは。
六号通り診療所の石原です。
今日は水曜日なので診療は午前中で終わり、
午後は久しぶりに何もないのですが、
首と背中は痛くて首は廻らないし、
どうするか思案中です。
それでは今日の話題です。
今日は診療所で診断した、
カンジダ食道炎の事例集です。
カンジダ食道炎についての解説は、
機能の記事をお読み下さい。
ではまずこちらから。
これは40代の男性で、
特に基礎疾患のない方です。
白い斑点のようなものが、
びっしりと食道の粘膜に付いているのが分かりますね。
これがⅠ度のカンジダ食道炎です。
この白い部分が、
増殖したカンジダのコロニーなのです。
では次を。
この方は70代で高血圧はありますが、
免疫異常などのご病気はなく、
抗生物質の使用も殆どありません。
軽症のⅠ型カンジダ食道炎です。
特に治療はせず、
その半年後に胃カメラを再検しました。
それがこれです。
カンジダ食道炎は改善しています。
70代の方でも、
こうして自然の改善例があるのです。
この方はその後1年に一度のペースで、
胃カメラの検査を行ないましたが、
3年間に渡って再発はありません。
こうした自然改善の事例は、
結構あります。
では次を。
この方は少し進行した、
Ⅱ度のカンジダ食道炎です。
白い苔のような部分は縦に繋がって、
粘膜は少し浮腫んでいます。
驚くなかれ20代の女性で、
基礎疾患は何もありません。
(念のためご同意を得て、
HIVの検査も行ないました)
進行していることと、
嚥下時の違和感などの症状もあったことから、
治療の適応と考え、
ジフルカンという抗真菌剤を、
1日50mgで2週間使用しました。
その半年後の画像がこちら。
見事に奇麗になっています。
その後定期的に胃カメラ検査をしていますが、
2年以上再発はありません。
では次を。
この方も基礎疾患のない30代の女性で、
Ⅱ度に近いⅠ度のカンジダ食道炎です。
本人の希望もあり、
治療はせずに経過を見ました。
その1年後の画像がこちら。
やや改善しているようにも見えますが、
病変自体は持続しています。
その後経過を観察していますが、
4年間このままの状態で推移しています。
悪化傾向はありません。
このようにカンジダ食道炎にも、
様々の経過のものがあり、
その理由は現時点では分かりません。
胃薬との関連性を示唆する文献もありますが、
今日ご紹介した患者さんは、
いずれも胃薬は飲まれていない方です。
深刻な病気ではありませんが、
定期的な観察は必要で、
状況によって治療するかどうかを、
慎重に見極める必要があるのだと思います。
今日はカンジダ食道炎の色々な経過を見て頂きました。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
六号通り診療所の石原です。
今日は水曜日なので診療は午前中で終わり、
午後は久しぶりに何もないのですが、
首と背中は痛くて首は廻らないし、
どうするか思案中です。
それでは今日の話題です。
今日は診療所で診断した、
カンジダ食道炎の事例集です。
カンジダ食道炎についての解説は、
機能の記事をお読み下さい。
ではまずこちらから。
これは40代の男性で、
特に基礎疾患のない方です。
白い斑点のようなものが、
びっしりと食道の粘膜に付いているのが分かりますね。
これがⅠ度のカンジダ食道炎です。
この白い部分が、
増殖したカンジダのコロニーなのです。
では次を。
この方は70代で高血圧はありますが、
免疫異常などのご病気はなく、
抗生物質の使用も殆どありません。
軽症のⅠ型カンジダ食道炎です。
特に治療はせず、
その半年後に胃カメラを再検しました。
それがこれです。
カンジダ食道炎は改善しています。
70代の方でも、
こうして自然の改善例があるのです。
この方はその後1年に一度のペースで、
胃カメラの検査を行ないましたが、
3年間に渡って再発はありません。
こうした自然改善の事例は、
結構あります。
では次を。
この方は少し進行した、
Ⅱ度のカンジダ食道炎です。
白い苔のような部分は縦に繋がって、
粘膜は少し浮腫んでいます。
驚くなかれ20代の女性で、
基礎疾患は何もありません。
(念のためご同意を得て、
HIVの検査も行ないました)
進行していることと、
嚥下時の違和感などの症状もあったことから、
治療の適応と考え、
ジフルカンという抗真菌剤を、
1日50mgで2週間使用しました。
その半年後の画像がこちら。
見事に奇麗になっています。
その後定期的に胃カメラ検査をしていますが、
2年以上再発はありません。
では次を。
この方も基礎疾患のない30代の女性で、
Ⅱ度に近いⅠ度のカンジダ食道炎です。
本人の希望もあり、
治療はせずに経過を見ました。
その1年後の画像がこちら。
やや改善しているようにも見えますが、
病変自体は持続しています。
その後経過を観察していますが、
4年間このままの状態で推移しています。
悪化傾向はありません。
このようにカンジダ食道炎にも、
様々の経過のものがあり、
その理由は現時点では分かりません。
胃薬との関連性を示唆する文献もありますが、
今日ご紹介した患者さんは、
いずれも胃薬は飲まれていない方です。
深刻な病気ではありませんが、
定期的な観察は必要で、
状況によって治療するかどうかを、
慎重に見極める必要があるのだと思います。
今日はカンジダ食道炎の色々な経過を見て頂きました。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
2011-02-09 08:27
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コメント(8)
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うわぁ結構インパクトのある画像ですね。
今のところ、3月25日か4月1日(いずれも金曜)の17時半ごろ伺う予定です。
近くなりましたら、確定してお知らせします。
宜しくお願い致します。
首・背中お大事になさってください。
by midori (2011-02-09 08:39)
父が脳腫瘍の手術後に、胃カメラで食道が白くなっていると言われて心配しましたが「カビ」ではなく「白斑」だと言われ1年に1度の胃カメラで経過観察しています。
その時の画像を、なぜか私が持っているので比べてみましたが・・・やっぱり違うのですね。とても参考になりました。
先生、無理されないようにしてくださいね。
by まみしゃん (2011-02-09 23:48)
すみません、今回の記事に関係ない質問になるのですが、以前あった肺炎球菌の予防接種について質問があります。
昨日、2ヶ月の娘にヒブと肺炎球菌の予防接種をしました。副反応を調べていたらここにたどりつきました。娘は今日になって局所が赤く腫れ、傾眠がみられました。傾眠は一過性とありましたがどのくらい続くものなのでしょうか?また脳に後遺症などあるのでしょうか?
今回の記事とはまったく関係ない内容のコメントは失礼だと思ったのですが、どうしても気になりコメントした次第です。よかったらご回答いただきたいです。よろしくお願いします。
by 心配性 (2011-02-09 23:48)
midori さんへ
出来れば呼気テストは12時間絶食で行ないたいので、
可能であれば朝食抜きで朝来て頂けると良いのですが…
ただ、昼抜き夕食前でも可能ではあります。
肩と背中は今日はちょっと改善傾向です。
by fujiki (2011-02-10 08:59)
まみしゃんさんへ
コメントありがとうございます。
痛みは少し良くなっています。
by fujiki (2011-02-10 09:11)
心配性さんへ
通常脳に後遺症などはなく、
自然に改善すると思いますが、
接種した医療機関にご連絡を取り、
取り敢えずは診て頂いた方が良いと思います。
断定的には言えません。
by fujiki (2011-02-10 09:14)
今日、診察に行ってきます。失礼な質問なのに答えていただきありがとうございました。
by 心配性 (2011-02-10 09:19)
はじめまして
医療関係者ではないですが、写真つきで興味深かったです
自分は30代前半の男ですが、右背中の痛みと胃が重く感じ、エコーと胃カメラをしたところ、エコー異常なし、胃カメラで胃には異常なし、食道カンジダありでした
特に持病もありません
新薬のシダキュアを飲みはじめてから胃が微妙ですが、、
健康でもやはり食道カンジダはなるのですね、、
あんまり聞いたことないので不安でした
by けん (2018-11-25 11:56)