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輸入ワクチンQ&A(その1) [新型インフルエンザA]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

今日は胃カメラの日なので、
カルテの整理をして、
それから今PCに向かっています。

それでは今日の話題です。

今日は輸入ワクチンのQ&A集をお届けします。

Q1;輸入ワクチンは国産ワクチンより危険なイメージがあります。そもそも輸入ワクチンと国産ワクチンとは、何が違うのでしょうか?

A1;お答えします。
現在使われている新型インフルエンザワクチンの多くは、
「スプリットワクチン」と言って、
ウイルスをバラバラにして、
その抗原という蛋白質だけを、
精製したものです。
国産ワクチンも今回予定の輸入ワクチンも、
その点には変わりはありません。
ただ、輸入予定のノバルティス社とグラクソ・スミスクライン社の、
2社の海外ワクチンは、
その抗原蛋白質に、
免疫を増強する作用のある、「アジュバント」という物質が、
加えられている点が大きく違います。
また、グラクソ社のワクチンは鶏の卵で培養されて造られますが、
ノバルティス社のワクチンは細胞培養によって造られています。
このように製造法も添加物も異なり、
それは日本で今まで認可されたことのないものです。
それを「超法規的」に許可し輸入する、
という点に今回の「輸入ワクチン騒動」の、
最大の問題点があります。

Q2;細胞培養のワクチンに危険性はないのでしょうか?

A;お答えします。
現在輸入予定のノバルティス社のワクチンは、
細胞培養のワクチンです。
使われているMDCK細胞という細胞は、
免疫抑制状態にあるネズミの実験で、
癌を起こす作用のあることが報告されています。
しかし、ワクチン精製の過程で、
この細胞の成分は取り除かれるので、
危険はない、というのが公式の見解です。
現時点でこのワクチンで癌が増える、
という根拠はありませんが、
これは今後の検討課題で、
そうした可能性がゼロとも言い切れないのです。
鶏の卵の確保が難しいため、
効率良く増やせる細胞培養のワクチンが、
今後は主流になると思われ、
日本では行政が細胞培養ワクチンに、
大きく転換する方針を打ち出しています。
しかし、個人的にはそれは拙速で安全性軽視なのではないか、
と僕は思います。

Q3;輸入ワクチンのアジュバントに、危険性はないのでしょうか?

A3;お答えします。
ノバルティス社のワクチンにはMF59、
グラクソ社のワクチンにはAS03という名称の、
免疫増強剤(アジュバント)が添加されています。
免疫を増強するタイプの薬剤には、
自己免疫疾患の発生を増やすのでは、
という危惧が伴います。
ただ、現時点ではそうした報告はありません。
MF59については、不妊を誘発するのでは、
など幾つかの危惧が指摘されていますが、
それに相反する意見もあり、
現時点で確定的なことは言えません。
AS03については、
日本で行なわれたネズミの実験で、
お腹の中にAS03を注入したところ、
腹膜炎やお腹の出血性病変が出現した、
という報告があります。
これも人間より高用量なので、
問題なしとの専門家の見解ですが、
いずれにしても、免疫を増強する物質が、
完全に無害とは考え難く、
ある一定のリスクは存在すると、
考えた方が良いのでは、と僕は思います。

以上輸入ワクチンQ&A(その1)でした。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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