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新型インフルエンザ迅速診断の話 [新型インフルエンザA]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

朝から事務仕事をして、
それから今PCに向かっています。

それでは今日の話題です。

今日は新型インフルエンザの簡易検査の話です。

通常鼻に綿棒を入れて、
インフルエンザに感染しているかどうか、
10分程度で分かる簡易検査がありますね。
新型インフルエンザの遺伝子検査は、
行政の検査機関でしかやってはくれないので、
こうした簡易検査でしか、
一般の診療におけるインフルエンザの診断は出来ないのです。

しかし、通常この検査では、
A型インフルエンザかB型インフルエンザかは分かっても、
それが新型なのか、季節性なのか、
季節性でも、A香港型なのか、Aソ連型なのか、
という点については分からなかったのです。

ただ、研究レベルでは、
両者の簡易判定キットは存在します。

ちょっとこちらをご覧下さい。


2つの白いバーがありますね。
上のバーには、赤い矢印の先、
A と書いてあるところに、
黒いくっきりとした線が縦に入っています。
これが通常の簡易検査のキットで、
これはA型のインフルエンザの反応であることを示しています。
下のバーの青い矢印の先にも、
同じようなくっきりとした黒い線が入っていますね。
これは同じ検体を、
H1N1 という型にのみ反応するキットで検査したものです。
つまり、この2つを組み合わせることにより、
A型の型の判定が出来るのです。
でも、新型は表面の抗原の型は、
Aソ連型と同じH1N1 なのです。
その2つをどう判定するのでしょうか?

次をご覧下さい。

ちょっとピンボケで申し訳ないのですが、
これは新型インフルエンザの反応を示したものです。

赤い矢印の先に、
A型の反応が出ています。
そして、下のバーの青い矢印の先に、
画像でははっきりしませんが、
弱い線が見えているのです。

このように、上のバーに比べて弱い反応が出るのが、
新型インフルエンザの反応だと、
事例の検証からはそう考えられます。

この2つのキットを組み合わせることにより、
一応、A香港型、Aソ連型、新型、B型の、
それぞれの鑑別が可能になるのです。
掛かる時間は全体で20分程度です。

これはまだ、精度が確認された、といったレベルではないので、
飛び付くような性質のものではないのですが、
僕は基本的に新しもの好きなので、
診療所では試験的に施行しています。
現時点で検出されているのは、
Aソ連型と新型だけですが、
まあ、本当に新型とAソ連型が分類出来ているかは、
現時点ではちょっと疑問なのです。

健康保険は勿論適応にはならないので、
若干のご負担をお願いしていますが、
新型かどうかが確認したい、
というご希望の方には、
その精度は現時点では保障出来るものではないことを、
ご説明の上施行しています。

今日は新型インフルエンザの簡易検査の話でした。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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