診療所で見付かった膀胱癌の一例 [仕事のこと]
こんにちは。
六号通り診療所の石原です。
朝から健診の整理などして、
それから今ＰＣに向かっています。
それでは今日の話題です。
まずこちらをご覧下さい。
診療所で検査した、
お腹の超音波の画像です。
中央の黒い丸い部分が、
おしっこで膨らんだ膀胱で、
赤い矢印の先にある、
小さなでっぱりが、
膀胱の腫瘍です。
大きさは1センチ弱です。
膀胱癌の症状は、
血尿ですが、
この患者さんではおしっこの検査をしても、
特に異常はありませんでした。
勿論痛みやおっしこが近くなるなどの症状もありません。
従って、この方の場合、
膀胱の超音波検査をしなければ、
腫瘍を早期に見付けることは出来なかったのです。
診療所でお腹の超音波検査をする時は、
必ず膀胱の検査を一緒にするようにしています。
ただ、健診などの超音波検査では、
省略する場合が多いので注意が必要です。
おしっこを少し溜めて、
我慢してもらわないといけないので、
集団健診などにはあまり馴染まない検査なのですね。
膀胱癌は「尿路上皮」由来の癌です。
腎臓で作られたおしっこは、
腎盂というじょうごに集められ、
尿管という管を通って、
膀胱という袋に溜められます。
そして、尿道という出口から、
尿として排泄されるのです。
この経路の大部分が、
「移行上皮」という組織で作られています。
そのどの部分にも、
「移行上皮癌」は発生しますが、
その9割は膀胱癌の形を取ります。
膀胱癌は再発し易いのが、
一番の特徴です。
普通5年経ったら癌は再発しない、
という言い方をするでしょう。
でも、その考えは、
「膀胱癌」を含む「移行上皮癌」には、
当て嵌まりません。
10年経ってからの再発も稀ではありませんし、
僕の経験した事例でも、
20年後の再発がありました。
従って、一旦膀胱癌が見付かったら、
治療に成功しても、
一生定期検査は必要なのです。
しかも、再発は移行上皮のある、
尿路の全てに起こり得ます。
膀胱のみならず、
腎盂や尿路の癌についても、
定期的なチェックが必要なのです。
怖いですね。
この癌は若年発症のあるのも特徴で、
１０代での発生も報告されています。
治療は表在癌と言われる早期の状態では、
内視鏡で切除するのが一般的です。
しかし、それでも3年以内に半分は再発します。
表在癌の5年生存率は9割を超えていますから、
治る癌なのですが、
再発が多いのが問題です。
このために抗癌剤を含む薬剤を注入するなどの、
再発予防策が色々と試みられているのですが、
副作用もあり、
絶対的な方法はないのが実状のようです。
上の事例の患者さんは、
表在癌の状態で、
内視鏡治療で完治されました。
今日は診療所で見付かった、
早期の膀胱癌の事例を、
ご紹介しました。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
六号通り診療所の石原です。
朝から健診の整理などして、
それから今ＰＣに向かっています。
それでは今日の話題です。
まずこちらをご覧下さい。
診療所で検査した、
お腹の超音波の画像です。
中央の黒い丸い部分が、
おしっこで膨らんだ膀胱で、
赤い矢印の先にある、
小さなでっぱりが、
膀胱の腫瘍です。
大きさは1センチ弱です。
膀胱癌の症状は、
血尿ですが、
この患者さんではおしっこの検査をしても、
特に異常はありませんでした。
勿論痛みやおっしこが近くなるなどの症状もありません。
従って、この方の場合、
膀胱の超音波検査をしなければ、
腫瘍を早期に見付けることは出来なかったのです。
診療所でお腹の超音波検査をする時は、
必ず膀胱の検査を一緒にするようにしています。
ただ、健診などの超音波検査では、
省略する場合が多いので注意が必要です。
おしっこを少し溜めて、
我慢してもらわないといけないので、
集団健診などにはあまり馴染まない検査なのですね。
膀胱癌は「尿路上皮」由来の癌です。
腎臓で作られたおしっこは、
腎盂というじょうごに集められ、
尿管という管を通って、
膀胱という袋に溜められます。
そして、尿道という出口から、
尿として排泄されるのです。
この経路の大部分が、
「移行上皮」という組織で作られています。
そのどの部分にも、
「移行上皮癌」は発生しますが、
その9割は膀胱癌の形を取ります。
膀胱癌は再発し易いのが、
一番の特徴です。
普通5年経ったら癌は再発しない、
という言い方をするでしょう。
でも、その考えは、
「膀胱癌」を含む「移行上皮癌」には、
当て嵌まりません。
10年経ってからの再発も稀ではありませんし、
僕の経験した事例でも、
20年後の再発がありました。
従って、一旦膀胱癌が見付かったら、
治療に成功しても、
一生定期検査は必要なのです。
しかも、再発は移行上皮のある、
尿路の全てに起こり得ます。
膀胱のみならず、
腎盂や尿路の癌についても、
定期的なチェックが必要なのです。
怖いですね。
この癌は若年発症のあるのも特徴で、
１０代での発生も報告されています。
治療は表在癌と言われる早期の状態では、
内視鏡で切除するのが一般的です。
しかし、それでも3年以内に半分は再発します。
表在癌の5年生存率は9割を超えていますから、
治る癌なのですが、
再発が多いのが問題です。
このために抗癌剤を含む薬剤を注入するなどの、
再発予防策が色々と試みられているのですが、
副作用もあり、
絶対的な方法はないのが実状のようです。
上の事例の患者さんは、
表在癌の状態で、
内視鏡治療で完治されました。
今日は診療所で見付かった、
早期の膀胱癌の事例を、
ご紹介しました。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
2009-01-31 08:02
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コメント(3)
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こんばんは 初めて拝見しました 実は私もたまたま検診で異型細胞が出たので 紹介され血尿も症状もないけど カメラやっとく？みたいなノリでやっったら
あらら 癌発見！！の４２才の女です Ｄｒは顔つきは悪くないから大丈夫と言ってくれます。でも毎日不安です。先日初めて血尿が出ました。転移もないし それは症状だからと 超軽いんです。本当に大丈夫なのか？先生を信じてるのに・・・・再発 転移 浸潤
あれこれ考えてしまいます。
早期発見！！私は本当にラッキーなのですか？安心できる言葉が今一番欲しいのです。ごめんなさい・･聴いて頂きたく・・本当にすみません
by みかん (2009-02-01 23:54)
みかんさんへ
表在癌の状態であれば、
ほぼ100パーセント治る癌ですので、
ご心配は入りません。
早く見付かったのは、
間違いなくラッキーだと思いますよ。
文面からははっきりしませんが、
初期の膀胱癌の診断で、
内視鏡の手術をされるご予定なのでしょうか？
ただ、記事にも書いたように、
再発は多いので、
定期的な検査は続ける必要があります。
油断さえしなければ、
十分戦える相手なので、
お気持ちを強く持って下さいね。
あと補助療法は副作用もあるので、
情報を集め、主治医ともじっくり話してから、
お決めになることをお勧めします。
by fujiki (2009-02-02 08:48)
早々 のお返事ありがとうございます。内視鏡でのＯＰ予定です そして次の日退院！ ほんとにラッキーなのですね。
見ず知らずの私に勇気ずけていただき気持ちも ＵＰしてきました!!がんばって 戦います！！ Ｄｒを信じて 自分を信じて 相談しながら治療にがんばります！！ また 不安になったら
よろしくお願いします
それでは 家事始めます 超ブルーでやる気なかったんですが・・・ fujiki様ありがとうございました。
by みかん (2009-02-02 11:11)