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「無呼吸」の話 [医療のトピック]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

毎週月曜日は本当にいつも雨ですね。
嫌になります。
昼の往診の時までには、
上がってくれるといいんですが。

さて、昨日NHKで「無呼吸」の番組がありましたね。
今日はちょっとその話です。

「睡眠時無呼吸症候群」は、
2003年のJRの居眠り事故以来、
一般にも注目されるようになった病気ですね。

夜間に気道が閉塞して、
呼吸状態が悪化、
呼吸が長く停まったり、
酷いいびきを掻いたりします。

昼間はそのために眠気が強く、
居眠りの原因になります。

産業医として相談を受けていて、
結構事例が多いので、
驚いた覚えがあります。

潜在的な患者数は、
意外に多いのだと思いますね。

NHKの番組は、
さすがに民放と比べると、
こうしたテーマの取材はしっかりしています。

民放だと、結構面白がって、
極端な意見を持つ専門家を取材して、
トンデモ話になることが多いのですが、
そんなことはありませんでしたね。

ただ、以前の認知症の話の時にも感じたのですが、
対象的な二つの症例で、
全体を俯瞰するようなやり方は、
ちょっと問題がありますね。

昨日の番組では、50代の不整脈の男性と、
少女(5歳くらいだったでしょうか。詳細は忘れました)
が、「無呼吸」の患者として登場します。

でもね、少女の方は所謂「無呼吸」の患者ではなく、
上気道抵抗症候群ですよね。
これは、概念的に「無呼吸症候群」とは別個のものです。
あと、男性の不整脈の原因を、
無呼吸によるものと断定していましたが、
確実に無呼吸とは言い切れないでしょう。
出て来る主治医の先生のニュアンスも、
聞き手に誘導された感じですよね。
それを強引に一緒にして、
ある種のイメージで括る所が、
テレビの詐術ですね。

CPAPという機械がありますね。
あの、マスクを付けて、酸素を吸入して、
無呼吸を改善する装置です。
ただ、通常の酸素療法と比べると、
リスクもあるんです。
圧を掛けて酸素を送り込むので、
圧の設定を相当慎重にしないと、
肺に却って負担を掛ける結果になるんですね。

これは健康保険上は、簡易検査だけで、
導入出来る仕組みになっているんです。
この機械は結構高いので、
機器会社にとっても医療機関にとっても、
利潤は比較的大きいんですね。

従って、何度も同じような話を書いているように、
こうした検査は必要ない人に使われるケースが、
結構あるんだと思います。
先のNHKの番組では、
不適当な患者さんに、
使われた場合のリスクについては、
全く説明はなかったですね。

そんな訳で、
六号通り診療所では、
簡易検査で疑いのある人は、
必ず専門医療機関に紹介するようにしています。

以下はちょっと宣伝ですけど、
当院でも「無呼吸」の簡易検査は可能です。
機械を家に持って帰ってもらって、
普通2日間付けて眠ってもらいます。
90パーセントくらいの診断が可能ですよ。
もし、無呼吸の気になる方は是非。

そろそろ診療時間になります。
今日はこのくらいで。
石原がお送りしました。
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